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頭蓋のなかに銀河

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サウンドラッグ

最近、駅前のCDショップでは「FACT」なる能面を被ったロックバンドの曲がやたらと垂れ流しになっていて、どうやら「アメリカから逆輸入されたジャパニーズロック」という謳い文句で耳の早いリスナーたちの間ではそこそこの評判らしく、実際、売れてもいるらしい。

が、彼らを評してヤフーなんかがやたらとのたまっている「サウンドラッグ」なる言葉にどうにも過敏に反応してしまう僕なのである。
つまり「クスリみたいに中毒性のあるサウンド」ってことでしょ?でもそういうのってそもそも初期のピンクフロイドみたいなサイケデリックロックにこそ相応しい言葉なんじゃない?
なんていうか、FACTの曲を聴いていて感じる高揚感みたいなものをクスリのそれみたいに錯覚する人っていないと思うんだよね。もっとこう、聴いていて幻覚をみてしまいそうになるような、真夏に窓も開けずに「星空のドライブ」を部屋で一人聴いてるときのあの悶々とした感覚こそ、僕にとっては擬似ドラッグ体験であるように思えるんだよね。

いや、実際そんな危ない薬なんて箱入り息子の僕が手を出すわけがないし、毎日抗鬱薬は飲んでるけど、全然そんな微量の薬で「トリップ!」とかするわけがないんだけど、とにかくあの五感全てに訴えかけるような、いやもしかしたら眠っている第六感すら呼び覚ますような体験は、僕の場合シド・バレット在籍時のピンク・フロイドと、中村弘二がカヴァーしたビートルズの『トゥモローネヴァーノウズ』を聴いたときくらいしか訪れなかった。
FACTの威勢の良いメロコアサウンドを聴いて「最高にハイ!ってやつだ!」とか言ってる輩がいたら、僕はシド・バレットのソロアルバムを聴かせてやりたい。だってFACTのやってる音楽はすごく健全で大衆的な、およそドラッグとは対極にあるようなサウンドだと思うから。
モノホンの「サウンドラッグ」は、それこそ聴いている人の精神状態をひどく不安定にさせるような類の音だ。麻薬で得られる快感やら幸福感ってのは、結局そういう破滅的で荒涼としたものと紙一重なんだよ、多分。
まぁ僕は薬ってものに対しては基本的に懐疑的だし、自慢気にドラッグカルチャーの洗礼を自慢するおっさんたちなんて全員死ねばいいのにって思いますけど。
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by high-zyanose | 2009-07-08 02:27 | 人生
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